【ふるほん紹介】深夜の散歩‐ミステリの愉しみ‐

探偵小説愛読家である三人・・・ 福永武彦、中村真一郎、丸谷才一 ・・・が

探偵小説(翻訳ものの探偵小説)を読む愉しさを余すところなく語り尽くした名著。


エルキューㇽ・ポアロ、メグレ警部、フィリップ・マーロウ、怪盗ルパン、ミス・マープル

ブラウン神父、シャーロック・ホームズ...


知ってる名前も知らない名前もあるかもしれないが、名探偵が出てくる出てくる!

ミステリ好きにはそれだけでもう満腹。



『深夜の散歩』の元版が出たのは1963年、こちらの決定版が出たのは1978年です。

15年の時を経て新版が刊行されたのですが、この長い年月について丸谷氏があとがきで

こう書いています。

 

…本には読み頃ごろといふものがあって、刊行された当座だけが読みごろの本とか、

それ以後ずっとその調子がつづく本とか、ずいぶん長く経ってから読むとちょうどいい本とか

いろいろあるが、われわれの本はまさしくその第三項に該当する。…


たしかに、本には”読みごろ”というのがある。

1978年からさらに40年近く経ったわけだけれど、

今はさらに”読みごろ”になっていますよ、丸谷さーん!と言いたい。


ミステリは読んだことがない、興味があまりない、という方におすすめの一冊。

まずはトップバッターをつとめる福永武彦さんの「Quo Vadis?」を読んでみてください。

きっとミステリと ”深夜の散歩” がしたくなるはずです。


装幀・装画は和田誠さん。

扉絵の三氏の似顔絵や所々に出てくる作家の肖像画、これがすごくよく似ている。

さすが、和田さん!



『深夜の散歩‐ミステリの愉しみ‐』 【SOLD OUT】

著者:福永武彦 中村真一郎 丸谷才一

装幀・装画:和田誠

出版年:1978年 初版

発行:講談社


枇杷舎

静岡市鷹匠の路地裏で週末の一時オープンする 屋根裏小べやのようなちいさなふるほんやです

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