【ふるほん紹介】あかずきんちゃん

ポール・ガルドンの『あかずきんちゃん』、とにかく恰好がよい。

おなじみのおはなしもガルドンの手にかかるとこんなにも迫力あるものになってしまうのか!

裏表紙の、大きく赤い文字(このフォント!)で書かれた

LITTLE RED RIDING HOODのデザインの恰好よさたるや!

ガルドンは最初に《にほんのみなさんへ》の中で、


わたしには、にほんのことばはわかりませんが、あなたがたはきっと、

このえをよくわかってくださることとおもいます。

だって、ほら、むかしからいうでしょう。

「いちまいのえは、どんなにおおくのことばにもまさる」って。


と言っています。

あかずきんちゃんをナンパしている(?ようにしかみえない)おおかみの姿に、ぷぷっとなってしまったり。

おばあさんになりすましたおおかみの思惑に、どきどきっとしたり。

(おはなしはすっかり知っているというのにまるであたらしいおはなしを読んでいるような気分になるのです!)


グリム童話は怖いと言われるけれど、たしかに怖いところもあるのだけれど、

ガルドンの見方はちょっとちがうように思う。


あかずきんちゃんもおばあさんもかりゅうども、たくましいのだ。

生きるって、たくましいことなのだ!

恐れることなく、たくましく生きよ!

と、ガルドンの絵が叫んでいる。


❖『あかずきんちゃん』 ¥850

 ポール・ガルドン/さく ゆあさふみえ/やく

 ほるぷ出版 1981年

 状態:良好

枇杷舎

静岡市鷹匠の路地裏で週末の一時オープンする 屋根裏小べやのようなちいさなふるほんやです

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